第1章

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「あの……僕、先輩に見える?」 なんで僕が先輩ってことわかったんだろうと聞くと陽向君は首を横に振った。 「でも、そのバッジは2年生ってことっすよね」 釣られるように自分の胸元についているバッジを見た。 そのバッジは青色の宝石もどきが埋め込まれたもので、今の1年は赤、2年は青、3年は緑で学年色というもので分けられている。 「でも今日会えて良かったっす。昨日来た時制服だったからもしかしてと思ってたんすよ。」 「…そ、そうなんだ……」 この人、話すの苦手とか言ってたけど結構話すし、親しみやすいっていうか…素出せば友達いっぱいできそうなのに…… 「俺、学校で話せる人全然いなくて…だからにゃん太先輩いてくれて良かったっす。」 「………」 そんなこと言われたのは初めてで、頬が少しピンク色に染まる。 「たまに遊びに行ってもいいっすか?」 いいけど…きっと僕のこと見つけられないんじゃないかなぁと思ってると、陽向くんが子犬みたいな目で見つめてくる。
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