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下駄箱で靴を履き替えれば、先に靴を履いていた飛鳥くんがすぐ隣で待っていてくれた。
2人で歩き出し、家の話やクラスの話をした。飛鳥くんの口からは色んな友達の名前が出てきて、知らなかったこととかいっぱい知れて嬉しかった。
「そういえば飛鳥くんは部活やってないの?」
「あー…サッカーやってたけど足怪我して出来なくなったんだよなー。」
「え?そうなの?」
「うん。春休みだったかなー?だから今は休部してる。まぁ遊びで出来るくらい良くなったんだけど、家のこともごたついてたし、今は青春を謳歌してるw」
飛鳥くんがサッカー、ピッタリすぎてうんうんと何回も頷いてしまった。
「僕は美術部に入ってるよ」
「え?どんなの描いてんの?」
「えっ、と…秘密!」
「じゃあ一緒に帰れない日あるな。まぁ俺が部活戻れば増える、か?」
なんて話していれば、後ろからキャッキャと女の子たちの話し声に混ざって、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「朔~どこ行く?」
「…俺は帰るけど。」
「ええ~!?一緒にカラオケいこーよーぉ」
振り返ればそこには東雲さんがいて、サイドには女の子が胸を押しつけるようにくっついていた。
パッと目が合って、笑顔を見せようとすると普通に逸らされた。その顔は他人に接するような表情で、少し怖かった。
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