第3章

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見ちゃいけない気がして慌てて前を向けば、隣から追い越されてその背中を見つめた。 僕は東雲さんにとってどんな存在なのだろう。 お弁当を作ってくれる相手?後輩?知り合い?それとも…他人? そう思ったら自分でも落ち込んでいくのがわかった。僕の中で東雲さんの存在が大っきくなってるんだなって実感する。 僕にとって東雲さんは… 「飛鳥?」 「あっ…」 「どした?ボーッとして。顔色悪いぞ。」 横から飛鳥くんが心配そうに覗いてきて、思わず足を止めた。 考え事をしていたからか、もう家の前についていて、飛鳥くんに申し訳ない気持ちになった。 「ごめんね、飛鳥くん…ちょっと考え事してて。」 「いーよ、そういうこともある。」 そう言って太陽のように笑って、眩しすぎる。でもその笑顔にいつも救われている。 僕も笑顔を返して、2人で家の中に入った。 「あれ…そういえば陽向くんは一緒に帰らないの?」 靴を脱ぎながら飛鳥くんに話しかけると、小さく頷いた。 「アイツはバイトしてるから。そのままバイト先行ってる。」 「バイト…かぁ。」 僕は家のことをいつもしていたからバイトをしたことはなかった。でもバイト仲間とか自分のお金で友達と遊ぶとか…ちょっと憧れていた。
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