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「もう!姉さんなんて知らない!」
腕を組んで、頬を膨らましてそっぽを向くと、その様子に飛鳥くんが笑っていた。笑い事じゃないのに…と思いながらも、その笑顔にどうでも良くなって溜息をつき姉さんの方を見る。
「…もう本気で心配するからやめてよね。」
「善処するわ」
頬に指を当ててクスリと微笑む姿を見れば許してしまう僕もシスコンなんだけど…。
「飛鳥くん、ごめんね巻き込んで…」
「いや、全然いいよ。面白いもん見れたし…」
姉さんの部屋から出た後、飛鳥くんに頭を下げて謝ると、またも笑って許してくれた。その笑顔にこれから何度救われることになるのだろう。
「それにしても姉弟揃って、怒ると頬っぺた膨らませんのな。」
「えっ?」
パッと頬っぺたを包んで、さっきのことを思い出す。無意識でやっていて自分のは覚えていないけど、姉さんがやっていたことは覚えている。
「俺もしようかな…」
そう言ってぷくっと頬を膨らます飛鳥くんは相変わらずイケメンで、なんとも言えない気持ちになったのは言うまでもない。
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