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今、花ちゃんから送られた手紙をもう一度読む。
大学の住所はU県、上星市。
前住んでいた街よりかはいくらか近いが、やはり遠方に変わりはない。
それにしても、なぜ今なのだろう。
大学2年で、夏休みの今、割と暇しているのは事実だが、いくらなんでも遅いよ、花ちゃん。
もっと早く連絡が欲しかったよ。
僕は目頭に、熱いものを感じて、頭を振る。
だがしかし、すでに僕は思い出の中の斉藤花を思い出し、いてもたってもいられなくなっていた。
大人しそうな雰囲気を持っていた少女。
眼鏡は黒縁で、いつもズボンを履いていた。
何回かスカートもあったかもしれないけれど、カッターで切られたとか言って履くのを止めてしまったのを覚えている。
やはり、どちらかと言うとジーンズにスニーカーと言う印象が強い。
ああ、会いたい。
僕は日付を確認すると、インターネットで上星市までの乗換えを確認した。
新幹線と電車だけで行ける。
僕はそれだけを確認すると、8月の15日を待った。
上映時間は午後の15時。
当日の朝に出ても、早めに出発すれば十分間に合う。
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