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「確かにいい話を聞いた。これはこちらの情報を出さねばならんかもな」
「なら――」
「だが断る」
そう言って席を立つレイス。
おそらく彼は、座っている団長さんを睨んでいるのだろう。
流石の団長さんも眉をひそめている。
「…どうゆうことかな?」
「そもそも、俺が何か知っているといつ話した?それに、知っていたとして話しても利益はない。安心しろ、こちらがその異物とやらを見つけたら連絡位はしてやる」
「君は愚かだね。そうゆうことではないのだよ。それにわかっているんだ」
分っている。
確かにそう言った。いったい何を?
正直この状況で思い当たることなど一つしかないが、それを知るすべはないはずだ。
いや…
「レイス。もしかしたら――」
「てめぇ、実験に関与していた野郎か?」
僕の声が届くよりも先にレイスはにらみつけ、問いていた。
だが、その問いに対しては団長さんは茫然としている。
「…ははは。何を言い出すかと思えば…」
「何がおかしい…」
「君、実験と言ったが、君のところにいる少年が事件で生まれた生物とでもいうのかね?」
その言葉を言った瞬間、レイスの足元の影から長いポール状の武器が出現する。
その先端には大きな刃。
大鎌だ。
その大鎌を一瞬で出現させ、団長さんの首元で止める。
「貴様、どこまで知っている…関係者ではないのか?」
「少なくとも関係者ではないね。今は。いずれ関わろうとは思っていた」
首元に刃があるというのに余裕の態度。
レイスは特に動じていないようだが、僕にはなぜこうも余裕でいられるのかがわからず、少し恐怖する。
「いいかい?君が今、彼と仲がいいのは知っているが、あまり近づきすぎないのが身のためだ。異物はまだ謎が多い…」
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