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体育館ではよくある入学式と同じようなことをしただけだった。非常につまらない時間。
その後、教室戻った俺たちは担任の話を聞き、これからのスケジュールや教科ごとの教科書の説明を聞いてすぐ解散となった。
唯一興味のあった話といえば、最後に話された自由見学のことだ。なんでも、このあとから明後日までは一年生は休日らしく、学校に来た場合は学校が広いため校内探検や部活動見学が自由だそうだ。
「で、どこから回るんだ?」
「そうだなぁ…とりあえず、どこになんの教室があるのか、ぐらいは見とくべきじゃないかな?」
「いいねぇ!じゃあ、さっそく回ろうか」
今日は誠がやけにテンションが高い。
嫌な予感しかしない…
俺たちが今日から通う学校、「光位高校」はここら一帯だけでなく、全国的にもある程度は名の通っている名門校だ。
勉学においても全国的に上位に位置し、運動部に限らず、部活動の活躍も非常に優秀だ。
俺たちがこの学校に通う理由なんてものはいたって単純で、「家が近い」という理由からだ。
ただ、名が通ってるだけあって競争率は非常に高く、倍率も毎年3倍は超えるとか。
俺たちの年は運良く2倍だったため、割と俺と誠はあっさりと受かったのだが…
実のところ、結愛は馬鹿だ。理数面においては吸収も早く、応用も目を見張るものがある。そちらの面においては、天才とは言わずとも俺たちと同等、あるいはそれ以上かも知れない。
しかしだ。それ以外の教科という教科は万年下位。吸収するも記憶時間は一日のみで、テストは必ず一夜漬け。
中学時代では、「コイツ本当に女子かよ…」というレベルの表情で登校してくるのが、テスト週間中の日課となっていた。
では、なぜそんな勉強が不得意の彼女が、この名門校に入れたか。
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