35歳の誕生日 ①(3)

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「私がいけなかったの。 莉子をそそのかすような事、言ったから・・。 あなたを騙すかたちになって莉子は、すごく苦しんだと思う・・」 「つまり・・。 俺は、はじめから利用されてただけってことか・・」 彼は、さらに表情を険しくしながら、 苦々しく言葉を吐き出す。 「それは、違う。 莉子は好きでもない人に、抱かれるような女じゃない。 それに、莉子の人の良さは、あなただって知ってるよね? だから・・。 きっと一人で、悩んで、苦しんで・・。 あなたの事を思って、1人で産む決心を・・」 「ちょ・・ ちょっと待てよ・・。 それって・・」 彼は、慌てて話を遮った。 私は、まっすぐ彼に向き合って、しっかりうなずいてた。 「莉子のおなかの中には、 あなたとの子どもがいるの」
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