829人が本棚に入れています
本棚に追加
「私がいけなかったの。
莉子をそそのかすような事、言ったから・・。
あなたを騙すかたちになって莉子は、すごく苦しんだと思う・・」
「つまり・・。
俺は、はじめから利用されてただけってことか・・」
彼は、さらに表情を険しくしながら、
苦々しく言葉を吐き出す。
「それは、違う。
莉子は好きでもない人に、抱かれるような女じゃない。
それに、莉子の人の良さは、あなただって知ってるよね?
だから・・。
きっと一人で、悩んで、苦しんで・・。
あなたの事を思って、1人で産む決心を・・」
「ちょ・・
ちょっと待てよ・・。
それって・・」
彼は、慌てて話を遮った。
私は、まっすぐ彼に向き合って、しっかりうなずいてた。
「莉子のおなかの中には、
あなたとの子どもがいるの」
最初のコメントを投稿しよう!