35歳の誕生日 ①(3)

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「・・ざけんなよ。 なんで・・。 ・・何も言わねーんだよ」 低く出された彼の声は少しだけ震えていた。 「莉子が自分で決めたことなら、私が出しゃばるところじゃないのかもしれないけど・・。 あなたの気持ちが、まだ少しでも、莉子に向いているなら・・ 莉子をちゃんと幸せにしてあげて。 もし、そうじゃないなら・・」 私の言葉は、彼に届いているのかわからないほど、 彼の心はもうここにはなくて、 彼は、突然、クルりと体の向きを変え、 ガラガラガラっと勢いよくお店のトビラを開いて、中に入っていった。 「ちょっと・・」 話は、まだ終わってない。 彼の想いを、ちゃんと聞きたい・・。 「おっ、ルイ・・。 話は終わった・・?」 森田さんの声が中から聞こえた。
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