35歳の誕生日 ①(3)

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『・・うっせーよ。 ちょっとは静かにしといてくれよ』 彼はまた不機嫌そうに言う。 「桜井・・?」 中嶋くんが、私に声をかけるけど、もう頭の中は、今の順ちゃんの言葉でいっぱいで・・。 就職が決まったら捨てられた・・? 電話を拒否・・? 莉子が・・? 「・・ねぇ。 ちょっと、聞きたいんだけど・・」 私は思わず、 彼の背中に向かって話しかけていた。 声を掛けても、動きを止めることなく、ラーメンをすすっている・・。 「ルイ・・くん?」 私が、恐る恐る名前を呼ぶと、 彼はすごくゆっくりとした動きで、 後ろを振り返って、明らかに、眉間にシワを寄せた。
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