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私は中嶋くんに向かって、両手を合わせた。
「ごめん。ちょっとだけ待ってて・・。
すぐ終わるから。」
「あ、あぁ・・」
中嶋くんは、キョトンとしたまま、頷いた。
立ち上がった彼の様子をチラッと見ると、怪訝そうな顔をしたまま、私をジーっと見下ろしている。
「じゃあ・・」
彼に言って、そのまま、すぐにお店の外に出ると、
冷たい空気が、火照った頭を冷やしていく。
彼は、さっきまでの横柄な態度からは、考えられないくらい文句も言わずに付いてきていて、
お店の入口から数歩離れた、建物の横で、
私たちは向かい合った。
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