35歳の誕生日 ②(1)

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莉子のアパートに向かって行った彼の後ろ姿が完全に見えなくなると、 なんだか突然、外気が寒く感じて 私は、足早に、店内に戻った。 ・・中嶋くんを待たせたままだったっけ。 「お待たせ。ごめんね・・」 中嶋くんは、ちょっと神妙な顔をして私を見る。 「・・・何があったわけ・・? さっきのあいつはすごい勢いで出てったし」 「・・・・」 カウンターに目をやると、状況が掴めていない森田さんも、順ちゃんも、私の様子をじーっと伺ってる。 「あの・・。 今は、詳しいことは言えないけど。 ただ、彼・・ルイくんの別れた彼女が、私の友達でね。 いろいろ誤解があったみたいで・・」
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