35歳の誕生日 ②(1)

3/30
前へ
/38ページ
次へ
「・・ふーん。そうだったんだ。 偶然ってすげーな・・」 中嶋くんは言うけど、 順ちゃんは私に敵意を見せて噛み付いてきた。 「ちょっとぉー。 何があったか知らないけど・・。 せっかく私が、ルイと一緒に 八王子に行く覚悟を決めようと 思ってたところなのに・・。 ひどいじゃないですか!!」 「ごめんね。 だけど、彼は、きっと。 彼女の元に戻ると思うから・・」 「ひどーい!」 私たちのテーブルの横に来て、 私を睨んだまま、頬を膨らませた。 「順ちゃん。やめとけって」 森田さんは、口をはさんで、 順ちゃんを制してくれる。 「だって・・」 納得のいかなそうな順ちゃんを尻目に、中嶋くんは立ち上がった。 「とりあえず、出ようか・・?」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

887人が本棚に入れています
本棚に追加