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「ちょっと、待ってよ」
順ちゃんの声は、半泣きで
瞳にも涙がいっぱい溜まってる。
「順ちゃん、仕事」
再び森田さんに制されて、
順ちゃんは、ぐっと唇を噛んで
渋々レジに向かった。
片想いって、切ないよね・・・。
だけど、やっぱり、ルイくんは、莉子の元に戻って欲しい・・。
「じゃあ、森田、また来るから」
私たちは、ぶすっとして、
泣き出しそうな順ちゃんを
どうすることもできないまま、
お店を出た。
駅までの道を、
中嶋くんと肩を並べて歩いていく。
「・・・。
なんかびっくりしちゃった」
「それは俺のほうだろ?
まさか、桜井が、あいつの彼女を知ってたなんて、思ってもいなかったし」
「うん。私も・・。
もしかしたら・・?とは思ってたけど・・。
まさか、偶然ここで会えるなんて
思ってもいなかったけどね」
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