35歳の誕生日 ②(1)

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「ちょっと、待ってよ」 順ちゃんの声は、半泣きで 瞳にも涙がいっぱい溜まってる。 「順ちゃん、仕事」 再び森田さんに制されて、 順ちゃんは、ぐっと唇を噛んで 渋々レジに向かった。 片想いって、切ないよね・・・。 だけど、やっぱり、ルイくんは、莉子の元に戻って欲しい・・。 「じゃあ、森田、また来るから」 私たちは、ぶすっとして、 泣き出しそうな順ちゃんを どうすることもできないまま、 お店を出た。 駅までの道を、 中嶋くんと肩を並べて歩いていく。 「・・・。 なんかびっくりしちゃった」 「それは俺のほうだろ? まさか、桜井が、あいつの彼女を知ってたなんて、思ってもいなかったし」 「うん。私も・・。 もしかしたら・・?とは思ってたけど・・。 まさか、偶然ここで会えるなんて 思ってもいなかったけどね」
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