35歳の誕生日 ②(1)

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一歩。また一歩。 近づくにつれて、 影になっていた男の人の顔が はっきりと認識できる。 自宅のエントランスまで、あと5mほど・・。 私は、中嶋くんの腕に、自分の腕を回し、ギュっとしがみつくように身をゆだねた。 どうして・・。 突然、私に腕を組まれた中嶋くんも、 私の行動に驚くよりも、エントランス入口に目を奪われている。 一番はじめに口を開いたのは、中嶋くんだった。 「友田部長・・。 こんなところで・・。 何を・・?」 驚きを隠せない様子の中嶋くん。 私は、中嶋くんの肘に回した腕に ギュっと力を込めて言った。
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