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一歩。また一歩。
近づくにつれて、
影になっていた男の人の顔が
はっきりと認識できる。
自宅のエントランスまで、あと5mほど・・。
私は、中嶋くんの腕に、自分の腕を回し、ギュっとしがみつくように身をゆだねた。
どうして・・。
突然、私に腕を組まれた中嶋くんも、
私の行動に驚くよりも、エントランス入口に目を奪われている。
一番はじめに口を開いたのは、中嶋くんだった。
「友田部長・・。
こんなところで・・。
何を・・?」
驚きを隠せない様子の中嶋くん。
私は、中嶋くんの肘に回した腕に
ギュっと力を込めて言った。
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