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「桜井。
しっかりしろ」
呆れたような声とともに、
私に近づいて来て、
玄関先から、動けない私の顔を覗き込む。
「大丈夫かよ」
「・・・う、うん・・」
そうだ
ここは私の部屋だ。
とりあえず・・。
「ご・・ごめん・・。
中嶋くん。
そこ・・座って」
私がダイニングのイスに座るように勧めると
中嶋くんは、
もう一度、小さく溜息をついた。
「いいの?」
「うん。どうぞ」
その『いいの?』の意味なんて、
考えもしないまま、
何かをごまかすように私は、無理やり笑顔を作った。
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