35歳の誕生日 ②(1)

17/30
前へ
/38ページ
次へ
「ごめんね。 こんなのに付き合わせちゃって。 本当は、この前に行ったバーで、 また1杯だけ付き合ってもらうかとも思ってたんだけど・・。 良かったら、家で何か飲まない?」 中嶋くんは、ゆっくりとダイニングのイスに腰を下ろして、神妙な表情をしたまま言う。 「じゃあ・・。 ビール、ある?」 「うん。あると思う」 「なにか食べられるものでも、あるといいんだけど・・」 「いいよ。腹一杯だし」 「そっか・・」 私は作り笑いのまま、 冷蔵庫に入っていた缶ビールとグラス2つをテーブルに運んで、中嶋くんと向かい合うように腰を掛けた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

887人が本棚に入れています
本棚に追加