35歳の誕生日 ②(1)

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やっぱり、中嶋くんには、 いつもの笑顔はなくて、 微妙な空気が流れている。 「じゃあ・・」 私は二つのグラスにビールをそそいで、中嶋くんに差し出す。 「乾杯・・って感じじゃないけどね。 とりあえず、どうぞ」 形だけ、二人でグラスを合わせた。 カチン と乾いた音が、 静かな部屋に響く。 気まずい空気を打ち消すかのように、 中嶋くんは、 一気にグラスの半分を空けた。 「ふぅ・・。うまい。ありがとう」 ちょっと表情を緩めて、目を細める。 「中嶋くんてそんなに飲む人だったっけ・・?」 「最近、酒ばっかだな」 「そっか」 ふっと目があって、 なんだか、この状況が、急に恥ずかしくなっていく。 やっぱり・・ さっきのことちゃんと、 話をしたほうがいいよね・・。
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