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やっぱり、中嶋くんには、
いつもの笑顔はなくて、
微妙な空気が流れている。
「じゃあ・・」
私は二つのグラスにビールをそそいで、中嶋くんに差し出す。
「乾杯・・って感じじゃないけどね。
とりあえず、どうぞ」
形だけ、二人でグラスを合わせた。
カチン
と乾いた音が、
静かな部屋に響く。
気まずい空気を打ち消すかのように、
中嶋くんは、
一気にグラスの半分を空けた。
「ふぅ・・。うまい。ありがとう」
ちょっと表情を緩めて、目を細める。
「中嶋くんてそんなに飲む人だったっけ・・?」
「最近、酒ばっかだな」
「そっか」
ふっと目があって、
なんだか、この状況が、急に恥ずかしくなっていく。
やっぱり・・
さっきのことちゃんと、
話をしたほうがいいよね・・。
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