35歳の誕生日② (2)

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中嶋くんはソファーに戻ってくることなく、 ダイニングの椅子に再び腰を掛ける。 「な。このワイン。 開けちゃっていいの・・?」 こっちを見ながら、ニッっと笑った。 いつもの笑顔でホッとする・・。 やっぱり、恋愛感情は持てなくても、 落ち着ける存在であることには、変わりないんだ・・。 「うん。開けていいよ」 私も、テーブルに戻って、 中嶋くんと再び向かい合った。 あんなことがあって、 ちょっと恥ずかしいけど・・。 中嶋くんが、 いつも通りだから救われる。 もし、中嶋くんが、 止めてくれなかったら・・。 また、 取り返しの付かないことを してしまうところだった。 今度こそ、 私は、ちゃんとまっすぐ進もう。
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