第二章

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だけど。 「……本当にそう思ってる?」 あの時の春浦美咲と同じように、僕の瞳を見つめて彼女は言った。 見透かしたように発せられたその言葉は、僕の心をドキリとさせた。 「ほ、本当にって、なんですか」 「そのままの意味だよ。……確証があって言った訳じゃないんだけど、なんとなくそんな気がして」 私と似てる気もしたし、と春浦先輩は小さく付け足した。 「似てる?」 「あ……ううん、なんでもないよ」 「そう、ですか」 僕と春浦先輩が似ている? どう考えても似ていないと思うのだけれど。 「私の勘違いだったらいいんだけど、思っていることは正直に言って欲しいな。そうでないと、遠坂君が納得できるような答えを見つけられない。だからいいんだよ? 納得できないって言っても」 正直に、か。 先輩には悪いけれど、そんな風にはなれない。 「わかりました。でも、さっきの言葉は本当です」 嘘に嘘を重ねる。最低かもしれないけれど、そうやってでしか僕は人付き合いができない。 「ならいいけど」 そう言って、先輩は視線を落とした。そこにはガラスのコップに入ったオレンジジュースがあって、先輩はそれを両手で掴んでいる。オレンジ色の水面を見つめる彼女の顔は、どこか寂しそうに見えた。 でもそれも一瞬のことで、すぐにあの笑顔で僕に目を向けてきた。 もしかしたら僕の気のせいだったのかもしれない。 「それで、これからどうする?」 「え……あ、はい。えっと、この時代にどれだけいるのかわかりませんし、どっかで泊まることを考えた方がいいですよね?」 「遠坂君の家に行くわけにもいかないしね」 「変に思われますしね。あ、でも説明すればなんとか……」 「ダメだよ」
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