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七三に分け、流れるように無造作にセットされた黒髪。 黒縁メガネ。 ギンガムチェックのシャツにニットタイ。 黒のクロップドパンツ。 「お店の先輩の甲斐くんですっ」 ニコニコ笑うつぐみちゃんに紹介され、手に持っていた携帯をポケットにしまい、再度ペコリと頭を下げた。 「どうも」と笑顔で声をかけるひばりに合わせ、小さく頭を下げたものの、奴は気がついているんだろうか。 「……」 「……」 向かいの女子の目がハートになっている。 が、 正直、そんなことはどうでもいい。 「お兄ちゃんが『呼べ』というので誘いました」 ヘラヘラ笑顔のつぐみちゃんが気に触る。
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