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「『しょうが焼き、カレー、ブリ大根、餃子』……増えてるじゃない」
巻きつけたままだったナポリタンを口に入れた彼女は、モグモグと口を動かしながら少しだけ身を乗り出し、目を細めて携帯の画面を覗き込む。
「そういうことじゃなくて」
「なんで画面にメモしてあるのか。ってことでしょ?」
「そう。そういうこと」
「そんなことするの瀬戸くんしかいないじゃない。ひばりくん、また酔わされたんでしょ?それ、きっとまた知らないうちに了承させられてるわよ」
「やっぱり?」
「でしょ。ひばりくん、酔っ払う速度は遅いけど殆ど記憶無くすもんね。で、寝たら何しても朝まで起きないし」
「……」
「あーぁ」と笑って呆れながらお冷を飲むのは、俺と鷹臣の同級生で、俺の同僚で
「つぐみちゃん、喜んじゃうわネ」
俺達の複雑な関係を、何故か本人達よりもよく知っている、俺の彼女。
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