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「もー。そんなだから瀬戸くん遠慮しちゃうんじゃない。シスコンも大概にしなさいよ」
「……」
俺の彼女のくせに。こいつには優しさも思いやりもないのか。
はぁー。と溜め息を吐いたあやめは、頬杖を外し、椅子に深く腰かける。
その呆れた顔を恨めしい目で睨みつけ、モグモグと口の動きを再開させた。
「あいつ、遠慮なんて」
「してるでしょー?出す気ならいくらでも出せる手を出さないのよ、あの女好きが。ある意味純愛じゃない。それから、女にだらしないのはつぐみちゃん以外の女にだからね」
海老フライを意味もなくフォークでツンツンとつつく俺。目つきを悪くしたあやめに早口で捲し立てられる。
挙句の果てには
「そこんとこ勘違いしないでよね!」
最後にビシッ!と、人さし指を突きつけられた。
「……してないし」
こいつは、つぐみと鷹臣をどうしたいんだろう。
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