雲雀

15/27
前へ
/673ページ
次へ
「もー。そんなだから瀬戸くん遠慮しちゃうんじゃない。シスコンも大概にしなさいよ」 「……」 俺の彼女のくせに。こいつには優しさも思いやりもないのか。 はぁー。と溜め息を吐いたあやめは、頬杖を外し、椅子に深く腰かける。 その呆れた顔を恨めしい目で睨みつけ、モグモグと口の動きを再開させた。 「あいつ、遠慮なんて」 「してるでしょー?出す気ならいくらでも出せる手を出さないのよ、あの女好きが。ある意味純愛じゃない。それから、女にだらしないのはつぐみちゃん以外の女にだからね」 海老フライを意味もなくフォークでツンツンとつつく俺。目つきを悪くしたあやめに早口で捲し立てられる。 挙句の果てには 「そこんとこ勘違いしないでよね!」 最後にビシッ!と、人さし指を突きつけられた。 「……してないし」 こいつは、つぐみと鷹臣をどうしたいんだろう。
/673ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15763人が本棚に入れています
本棚に追加