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『鷹臣くん、いつ来るの!?』
「……」
つぐみからの返信を既読をつけずに読み、携帯を静かにテーブルに戻した。
「今夜はご馳走ネ」
その一部始終を見ていたあやめは、唇の端についたケチャップをナプキンで拭き取り、ニヤリと笑う。
「さすがにないだろ。今夜は」
そのイラッとする笑顔にチラリと視線を向け、残っている海老フライを口に入れる。
「えー?そーぉ?分かんないわよぉー?」
そんなことを言うあやめが口の中でパリパリと音をさせるのは、俺が残した海老フライの尻尾。
「ないって。鷹臣だって、そう毎日毎日」
「ひばりくん。携帯光ってる。着信アリ」
「分かってるよ。あいつだって、そう毎日毎日早く帰れるワケじゃ……」
携帯の画面に、ポン。と出たメッセージ。
それに目を向け、会話の途中で
「……」
――ピタッ
と、止まる。
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