雲雀

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「香澄?あやめの友達だろ。覚えてねーの?山田香澄。お前、高3の時に同じクラスだったじゃん」 「いたっけ」 「いたわ。アホ」 「飲むの?返事どうする?」 「『分かった』」 「ハイハイ。断ったら機嫌悪くなるもんな、お前の彼女」 そこまで話すと、『そういえばあの頃、香澄って鷹臣のこと好きだったな』と思い出し、俺達の横で大人しく飲んでいるつぐみのことが気になって、チラリと視線を向けた。 ……が、しかし。 「鷹臣くん。日本酒もう無いよ」 幸か不幸か、酒に夢中のつぐみの耳に『香澄』の名は届いていないようで、彼女の目には空になった一升瓶しか見えていなかった。 一見、普段と変わりないようだが、妙にフワフワしている。 「おかわりくださーい」 兄ちゃんには分かる。妹は確実に酔っ払っている。
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