15743人が本棚に入れています
本棚に追加
/673ページ
「鷹臣くん。ワイン開けようよー」
「つぐみちゃん、今寝るって言ったばっかりでしょ。ちゃんぽんしたら悪酔いするよ」
重くて仕方のない瞼を上下させていると、「いーのっ」と、鷹臣に歯向かうつぐみの声が聞こえる。
「お兄ちゃん、ワイン飲みたいのー」
「んー」
甘える声に瞼を伏せ、簡単な返事を返した。
「お兄ちゃーん?」
「んー…」
ピッタリと閉じてしまった瞼を開けることは、なかなか難しい。
「おに……」
「……」
途切れ途切れになる意識。つぐみの声に答えることはできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!