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「大丈夫だよ。どうせ覚えてないから」 テーブルに突っ伏してウトウトし始めたひばりに寄り添い、「お兄ちゃんいい?いい?」と尋ねるつぐみちゃんに声をかけた。 「でも、お兄ちゃん怒らないかな?あやめさんは『いいよ』って言ってくれたけど」 「織田がいいって言ったなら大丈夫じゃない?つぐみちゃんだって織田と飲みたいでしょ。ひばりには俺から上手く言っておくからさ」 渡された携帯をテーブルに置き、その持ち主の気持ちよさそうな寝息を聞きながら、つぐみちゃんが注いでくれたワインを傾ける。 「あやめさんと会うの久しぶりだから嬉しい」 「織田はつぐみちゃん連れて歩きたいんだよ。ひばりがいい顔しないから言い出しにくいみたいだけどね」 妹を取られそうで嫌なんじゃない? そう言って笑うと、「お兄ちゃん、ほんとシスコンだね」と言って、可愛いらしい声でクスクスと笑った。
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