15742人が本棚に入れています
本棚に追加
/673ページ
ひばりの携帯に届いた、織田からの飲みの誘い。
本人に代わり、返事を送って会話を終わらせようとすると、羨ましそうに携帯を見るつぐみちゃんの視線に気がついた。
『つぐみちゃんも連れていっていい?』
織田と2人でつぐみちゃんの参加を決めたから、後でひばりに怒られるかもしれない。
けれど、「お前、いいよ。って言ったよ」と言ってしまえば、結構どうにかなってしまうもので。
恨むなら、嘘をつく俺ではなく、酔うと記憶を無くす自分を恨むしかないだろう。
記憶にない同級生の女と飲むよりは、つぐみちゃんと飲んだ方が何十倍も楽しい。
「つぐみちゃん。ひばりのこと部屋に置いてくるから、俺に襲われたいなら起きて待っててね」
完全に落ちたひばりの腕を自分の肩にかけて担ぎ上げ、冷蔵庫から持ってきたチーズをつまみに、俺の手土産の赤ワインを堪能するつぐみちゃんにひと声かけた。
「はーい」
普通なら飛び上がって喜ぶ俺のセリフに笑顔で答える彼女。見た目では分かりづらいが、だいぶ酔っているらしい。
最初のコメントを投稿しよう!