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「っしょ。……と」
テーブルの上と周りを一通り片付けると、つぐみちゃんの膝と背中に手を入れ、ゆっくりと持ち上げる。
いわゆるお姫様だっこ。
抱え直した反動で、小さな頭が俺の肩にコテンと乗った。
「……」
顔を覗き込んでみたが、目を覚ます気配はない。
つぐみちゃんもひばりと同じく、一度寝たら朝まで起きない。
もし今つぐみちゃんが目を覚ましたとしたら、真っ赤になって悶え死ぬこと間違いなしだろう。
「……」
まぁ、それはそれで面白いとは思うが。
軽いその身体をひばりの前の部屋まで運び、扉を開けて、真っ直ぐベッドへと向かった。
…――ギシッ
と、音をたて、沈むベッド。
腰かける俺の膝の上には、何も知らずにスヤスヤ眠るつぐみちゃん。
そっと髪に手をやり、結んでいた彼女の髪をほどく。
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