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「……編み込み、上手くなったね」
顔のまわりをぐるりと囲んだ編み込みを少しずつほどき、指を入れて髪を梳く。
手触りのいい髪は、俺の指の間をスルリと滑り、フワリと落ちた。
甘い花の香り。
指に髪を絡ませては落とし、絡ませては落として、その香りと手触りを楽しむ俺。
腕の中でスヤスヤと眠る彼女は露知らず。
黒目がちの瞳は閉じられて。
鮮やかな紅色の唇は薄く開く。
規則的な呼吸に安心し、彼女の頭に左の頬を乗せ、ほんの少しの間、抱きしめた。
「……」
顔を上げると、ゆっくりと向きを変え、優しく、静かに、腕の中の人をベッドに寝かせる。
彼女を愛でる時間は短い。
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