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「……くん。鷹臣くん」 浅い眠いの最中。 どこか遠くで俺を呼ぶ声。 「起きてください。朝ですよ」 外で鳴く鳥の声と、射し込む柔らかな陽。 「……ん」 近づく声と気配に返事をし、ゴソゴソ動いて毛布に包まりながら、額をソファーに擦りつけた。 「鷹臣くんの好きなスクランブルエッグ作ったよ。チーズ入りですよ」 一定の距離を置き、そこから話しかける彼女。 「パンにしますか?ご飯にしますか?」 なんで敬語なんだよ。 遠慮がちに話すつぐみちゃんが可笑しくて、目を閉じたままクスッと笑った。
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