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その勢いで蹴り飛ばした布団がベッドから落ちる音を聞き、吉原先生がサッとカーテンを払って駆け付けて来る。 「ヒッ!…ヒッ!…ヒーッ!」 「大ー丈夫。大丈夫だから落ち着こうねー、望月さん。」 涙を流してのた打ち回ろうとする私を、上から片手で押さえると、枕元に落ちている紙袋を顔に押し付けて叫ぶ。 「キミ達ー。悪いけれど少し外で待っててくれるかなー?」 呑気な口調の中に張らんだ緊張に、瑞希達はカーテンの隙間から私を覗いて息を呑む。 「…行くぞ」 硬直して微動だにしない、瑞希と山田君に、小林は緊張に声を強ばらせながら2人を促す。 バラバラと立ち去る足音に続いて、ピシャリとドアが閉まる音に、私は震えながら大きな吐息を吐き出した。 「大丈夫。大丈夫だからね…もう誰も居ないから…」 優しくて低い吉原先生の呟きが、まるで子守歌のように聞こえる。 「フッ…ウッ…」 いつの間にか涙が溢れ、苦しみの中もがき続けていた私は、気が付かないうちに自然と嗚咽を漏らしていた。
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