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「ふーん…当たり前かぁ。 でもどうして当たり前なんだい? キミがサッカー部の部員だから?」 吉原先生の切り返しに、私も勇人もハッと息を飲んだ。 瑞希だ…。 私の知らない間に、瑞希が吉原先生にきっと何かを言ったに違い無い。 胸の中が不安で渦巻き、寝起きで力の入らない手で、ギュッとシーツを握り締める。 「…違います」 そんな私の動揺も知らずに、勇人は最初は絞り出すように呟き。 「確かに彼女をサッカー部に誘ったのは俺だけど、彼女の事が心配なのは、俺が彼女の一番の友人だからです」 最後は吉原先生に向かって、キッパリと言い放つ勇人に、ちょっとくすぐったい気持ちになってしまう。 だって一番て。 そんな事を吉原先生に、わざわざ言わなくても…。 「ふーん…一番の友達かぁ。随分と自信が有りそうだけど、彼女から何か話を聞いたりしてる?」 「はい。色々と。」 「それはどんな話だい?」 勇人を試すような吉原先生の質問に、勇人は少し身じろぎして息を吐き出す。 「…本当に色々です。だけど彼女から聞いた事を、俺は他の人に言いたくは有りません。」 少し迷うように。けれどハッキリとした意志を込めて呟く勇人に、ちょっと感動してしまう。
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