黒ノ王様『呪われた少年』

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   「お父さん!お父さん!大変  だよ!」   家の中に飛び込むなり、少  年は父親の足に抱きつきまし  た。震える小さい手で、父に  縋ります。  「お父さん!ボク売られちゃ  うよ!村のみんなが村長の家  で話していたんだ!もう少し  でボクを売るって話してたん  だ!」   少年は大きな瞳から大粒の  涙を零して訴えます。  「お父さん!怖いよ!ボク売  られちゃうの?お父さんはボ  クを守ってくれるよね!」   父親は少年の手をとると床  に膝をつき、少年の目線に合  わせて頭を下げてくれました。   優しい微笑みを浮かべ、優  しい手で頭を撫でた父親は、  少年に言います――  「あぁ、守ってやるよ。大事  な大事な俺の息子だ」  「お父さん!」   少年はホッとして父親の首  に抱きつきました。これでも  う安心です。少年は心から安  心しましたが――
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