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少年の噂の真相を暴こうと、
孤児院を訪れた記者がいた。
神父立ち会いの元で記者は
少年にインタビューしたが、
少年は何も語ろうとせず、記
者は困り果てた挙げ句に妙案
を思い付いた。
それは愛妻が作った甘い甘
いクッキーだったそうだ。
記者はクッキーを取り出し、
少年に差し出した。
『甘いものは好きかい?この
クッキーは僕の妻が作ったも
ので、とても美味しいんだ。
君、これが欲しくないかい?
“欲しい”と一言言ってくれ
れば、全部あげるよ』
記者は一言発すれば、その
後は普通に話してくれるので
はないかと考えた。そう後で
証言している。
そしてその誘いは成功した。
『……“欲しい”。ボクにそ
のお菓子を“全部”ちょうだ
い』
少年の声を聞いた瞬間から、
記者の記憶は失われた――
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