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その過渡期
消え行くMMORPGは多く、配信停止や強引なエンディング、データをそのままVRMMORPGへと移行するゲームがほとんどだった
その中において、小さいゲーム会社ながらも、世界中に微々たるファンを持つMMORPGを配信している会社があった
微々たるとはいえ、世界中ともなれば、そのユーザーは100万人を数える
そのほとんどが日本人ではあったのだが…
ゲーム内容は、ゆるく、やわく、ながくをモットーにした、実生活リアルライフをおくるという物
ゲーム名を【ワンダフルワールド】といった
ワンダフルワールドの世界では、様々なジョブ(職業)を選ぶことが自由に出来た
サラリーマン、OL、学生、居酒屋店長やプロ野球選手なども選べる
思い付く限りのありとあらゆる職業につけ、経験を積みレベルが上がると上級職にジョブチェンジできる
例えばサラリーマンならば、ライバル会社の営業マンと取引先を巡っての接待バトルを繰り返し、課長、部長、専務、そしてマスターともなれば社長や会長などといったジョブに転職でき、悠々自適な生活を送れる
脱税や情報リークなどを駆使して、企業スパイとしても活躍できたりもする
例えば高校教師ならば、荒廃した私立高校の不良学生を更正しながら花園を目指し、PTAや周辺の商店街、はたまた教育委員会や自治体を説得することでレベルアップし、学年主任、教頭、校長先生をへて、伝説の教師になることができた
逆に、別のプレイヤーがその高校へ生徒として入学し、その全てを妨害して、県下一の不良学校の番長として名を轟かせることも可能だ
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