麻衣の秘密

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『アイが出ている間、私に記憶が残っていることもありません。アイは私が入院した時に、るみへの嫉妬心から生み出してしまった人格で、アイになってる時の私は、多分るみの事を恨んでいます。』 「で、でも多重人格って病院かどっかで入院するんじゃ?」 『最近、出ることも少なくなったので週二回ほど通院するだけでよくなったんです。』 その時、クラクションが聞こえた。母親だ。 「ああ、いつもいつも良い所で!麻衣さん、ごめんね。」 そう言うと、麻衣さんは笑って手を振り、一礼して、帰っていった。 それから、私は車に乗り込み、自転車を載せた車と共に帰路に着いた。 この時、私がもう一度振り返ったら、頭を抱えていた麻衣さんが見えたんだろうが、残念ながら母親と話し込んでいたので気づかなかった。
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