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そして、またゆっくりと目を開けると私を見つめ返してくる。そして、周りを見渡し始める。まるで何かを探しているようだ。そして、その視線はさっき掴みかかった反動でアイの手から落ちたノートを見て止まった。そして、それを開くと何か書き始める。そして、書き終えた文章を見せてくる。
『私、またアイになってました?』
私はすぐに返事ができなかった。またアイが演技しているのではと思ったから。
『やっぱり私、また傷つけちゃったみたいですね。』
目の前の少女はやや涙目になりながら、また文を見せる。
「・・・麻衣さん?本当に今は麻衣さんなの?」
彼女はうなずく。
「・・・私、傷ついてなんかいないよ!前にも言ったでしょ?馬鹿だからそんなの感じないんだって。」
完全に傷ついてないと言ったら嘘になるが、明るく振舞ってないと、本当に頭が混乱しそうだった。麻衣さんは申し訳なさそうに私を見つめている。
「最近の風邪気味って言うのは・・・アイが出てきていたから?」
麻衣さんはうなずく。
アイ・・・。
彼女が言った言葉が頭の中でこだまする。
ーせいぜいその性格で私を止めてみたら?私はこれからもっと、るみを追いつめる。るみや麻衣を本当に救ってみたいなら、あなた自身の手で私を消してみなー
・・・分かったよ、アイ。二人の感性はこれ以上絶対壊させない。あなたは私が止めて見せる。
麻衣さんと少しずつ会話の流れを戻していきながら、私は新たな決心をしたのだった。
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