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翌日のテスト終わりの放課後、私はるみに掴みかけられていた。
「何で、そんな余計な事したのよ!」
その怒声を浴びながら私は床へ突き飛ばされる。
「あの子と私は絶対に会っちゃいけないの!それが一番の判断なの!」
「るみ・・・。」
ここまで取り乱した彼女を見たのは始めてだった。
「それに何?彼女が対人恐怖症?そんなわけないじゃない!私が見た時の彼女は!」
「何、麻衣さんと最近会ったの?」
するとるみは一瞬だがうろたえた。そして、観念したように椅子の一つに崩れ落ち、声をやっとふりしぼっているかのように喋りだした。
「話しかけられた!坂の上女子で、しかもよりによって、あの坂の上で・・・見間違いだと思っていたのに。ともえ、麻衣と何か話したの?」
「まぁ、マスターがお店閉めるまで少し・・・って二人って友達だったんじゃないの?何でそこまで怖がるの?」
「どうしよう?また彼女に会ったら、私、私、」
「と、とにかく落ち着いて。」
「落ち着く?そんなことできるわけがないじゃない!だって、私は・・・彼女を・・・。」
「ねぇ、話してよ、話してくれない限り、私、何もできないもん。」
「私が何かしてって頼んだ!?」
誰もいない教室の中で、るみの声だけが響いた。
「・・・ごめん、帰る。」
そのままるみは出ていってしまった。
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