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「…ひっ…こ、殺さないで!!」 怯える男を見て笑う北村たち。 「おい」と北村が、仲間に合図を送る。 男の身体を蹴り始めた。 胃液が出る。血が出る。 それでもやめない男たち。 北村の携帯が鳴る。 武藤組長からだ。 ガバメントを下ろして、電話に出る。 「はいもしもし」 「北村、そっちに李はいるか?」 「えっ? いませんが…どうしたんすかオヤジ」 「あの野郎、うちの金とヤクを持って逃げやがった。見つけ次第、連れてこい!」 雨音で武藤の怒鳴り声が、少し聞き取りにくい。 ふざけやがって。あのキムチ野郎が。 「わかりました」 通話ボタンを押し、暴行されている男の元へ。 そして、勢いよく身体を蹴った。
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