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「…おばさん、俺が探しますよ」 「えっ。そんな…」 「大丈夫です。幼馴染として探して連れて帰りますから!」 そういうと通話を切った。 深い溜息をつく。 そして、スマートフォンの電源をつけて、連絡先を見た。 藤江流歌の項目があった。 すぐに電話をかける。 4コールで電話に出てくれた。 「あ、もしもし葛城だけど」 「んー? 何? どうしたの?」 「そっちに、ゆかいる?」 ストレートに聴くと、流歌は「いない」とあっさり答えた。 「そんなわけがないだろう? そっちにいるってゆかは言い残して―」 「だから、居ないんだってば!!」 電話を切られた。 葛城は苛立ち、机を殴った。 流歌の家にいないんなら、どこへ…?
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