第2話

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うっ…、やめて。反省してるんだから、そっとしておいて。 そんな心の声は届くはずもなく。 「あ、まどか。悪い、まだ用意できてないんだ。座って待ってて」 龍くんがそう声をかけると、女性は私からフイッと視線を外し、椅子に腰かけた。 そうだ、たしかまどかさんって言うんだったね。 どうしたものかと困っていると、龍くんがコソッと呟いてきた。 「柚ちゃん、ごめんね」 その声かけに、私は思いきり左右に首を振った。 するとニコッと微笑み、家の中へと向かう。 さて、私はどうしたものか。 ここは、そっと時間が流れるのを待ったほうがいいのでは? そう思い、何事もなかったかのようにお店に立っていた。 すると、かなりの圧がかかったような眼差しを感じ、振り向かないわけにはいかない状態に。 額から汗を滴ながらゆっくり視線を運ぶと、まどかさんは思いきり私を睨んでいた。 …あぁ、これは、謝れ的な? 私は視線を泳がせた後に、一度咳払いをした。 そして、ゆっくりまどかさんの元へ近づき、ペコッと頭を下げる。 「昨日は、すいませんでした」 その言葉にまどかさんは全く微動だにせず、私を見つめた。 「別に、いいけど」 …あ、そうですか。意外とあっさりしてますね。 なら、あんなに睨まなくてもいいのでは? そう口にしてしまいそうになるのをグッと堪えていると、まどかさんが続けてくる。 「誰かさんのせいで雰囲気はめちゃくちゃで、あの後すぐ龍とバイバイすることになっちゃって、…でも、別にいいけどね」 あぁ、…やっぱりすんごい怒ってるっぽい。言葉にトゲが…。 私はオロオロしながらも、なんとか機嫌を直してもらわなければと考えた。 「あ、あの、お詫びに、何かケーキ食べていきませんか?私、おごります!」 ニッコリ笑顔で声をかけたが。 「いらない」 ん~、何か別なことはないか? 「それじゃぁ…、お好きなコーヒー飲んでいきません?」 「飲まない」 …うっ、くそぉ。 「でも、龍くんの彼女とわかったことですし、何か私から…」 「違う」 「……へ?」 違うって、何が? 今の返答の意味がわからず、私は目を大きくして次の言葉を待った。 するとまどかさんはさらにご機嫌斜めに。 「彼女なんかじゃないわよ」 「…え?………え~っと、…それって?」 「セフレ」
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