第2話

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その聞き慣れない言葉に、私はキョトンとしてしまった。 セフレ? 首を傾げ、考える。 彼女ではないって言ってるけど、でも、昨日は間違いなく抱き合っていたし。 …要するに。 「彼女、みたいなものですよね?」 そう呟いては、再びニッコリ笑った。 すると、まどかさんが激怒する。 「あんた昨日からホント何なの!?私に喧嘩売ってる気!?」 「あっ!ああ、ごめんなさい!違うんです!ごめんなさい!」 こ、この人、恐い…。 とっても美人さんなのに、気が強いというか。 何度目だろう。私はまたも頭を下げていた。 「その、セフレって意味がわからなかったので…。すいません」 早くこの場から立ち去りたい。そう思いながら泣きそうになっていた。 すると、まどかさんは大きくため息。 「ちょっと、あなたここに座りなさい」 「えぇ!?」 やだ!絶対やだ! 逃げる言い訳を探したが、こんなときに限ってお客さまはやって来ない。 辺りをキョロキョロしていると、低い声で一言。 「早くして」 「…は、はい」 結局、おとなしく従うことに。 椅子にお尻をちょこっと乗せ、いったい今から何が始まってしまうのかと身構えた。 すると、まどかさんは意外にも、小声で尋ねてきた。 「あなた、龍の他の女、見たことある?」 「えっ!?他の女って…?」 「だから、龍が遊んでる女」 「あ、遊んでる!?」 ちょっと待って!なんか話についていけないんだけど。 目も口も大きくしていると、まどかさんは呆れた表情を見せてきた。 そしてため息。 「私もその内の1人」 続けてきたその言葉に、私はビクッと反応してしまった。 「そ、その内の1人って…」 「だからぁ、セフレって言ってるじゃない」 開いた口が塞がらなかった。 つまり、せ、セフレとは…? 「体だけの友達ってこと」 それを聞いて、一気に私の顔が燃え上がった。 そ、そんな…、そんな関係がこの社会に存在するなんて。 おかしいでしょ!? 「それで、どうなの?一緒に住んでるんだから、何か知ってるんじゃない?」 「えっ、え!?…あ、龍くんが他に遊んでる女性をってことですか?」 「そう」 え~!?そんな風に思える人なんて、いたっけ? だって、いつも大学に通うときはまどかさんとがほとんどで、それはお決まりというか。
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