第2話

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え!?いつもこうなの!? 「それじゃ、俺はごちそうさま」 そしてニッコリ笑顔を見せてくる。 椅子から立ち上がりどこへ向かうのかと見つめていると、龍くんはドアの前でこちらを振り返り続けてきた。 「俺、上にいるね」 「えぇ!?わ、私はどうすればいいんですか!?」 「あぁ、様子、見ててあげたら?観客がいたほうが2人とも燃えるんじゃない?」 か、観客って…。 「出来上がりそうなときに、俺も様子見にいくから」 そしてまた笑顔を見せると、龍くんは行ってしまったのだった。 キッチンに残された私は、どうしたものかとその場に立ち尽くす。 いつものことだっていうなら、2人きりにしてても大丈夫かな。 う~ん、でも、なんか心配だし。 私はとりあえず夕食の後片付けをし、洗い物はそのままにして、いそいで厨房へと足を運んだ。 ノックをして、そっと中を覗いてみる。 私に気づいた晋くんは、笑顔で声をかけてきた。 「あ、柚!こっちに来てたら?」 そして厨房の隅に椅子を用意。 私は、困りながらもそこへ着席。 2人はそれぞれ用意を始めると、手慣れた様子でスイーツを作り始めたのだった。 気まずい空気になるかと思いきや、2人とも真剣に手を動かしていく。 それぞれの世界に浸っているようにも感じられた。 こんなに近くで作るところを一通り見れるなんて、返ってよかったかもしれない。 やっぱりなぜか、自分の視線はオーナーへ向いてしまうのだった。 先に出来上がったのはオーナー。 少しして、晋くんも「出来た!」と続いた。 2人は私へ顔を上げると、それぞれのスイーツを差し出してきた。 私は目をパチクリ。 これってやっぱり、食べろってことだよね? 2人の判定をしなきゃいけないの? かなり恐いんですけど…。 戸惑っていると、オーナーがフォークも差し出してくる。 その表情は、早くしろと言っているようで。 逃げるのは無理だと察した私は、そのフォークを受け取った。 「えっと…、それじゃ、オーナーのからいただきます」 そしてお皿を近づけ、スイーツを覗いた。 顔を輝かせているのは柑橘系のフルーツたち。 表面にたっぷりと乗っかっている。 フォークを入れてみると、生地は二色使いの層でできてるムース。 一口食べて、清涼感が広がった。 うん、美味しい。 思わずニッコリしてしまう。
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