第4話

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「えっ、ええ!?そ、そうなんですか?」 「アホらしっ。私、帰るわ」 そう言って椅子から立ち上がろうとした。 私はすかさずそのまどかさんの腕を捕まえる。 「あ~、待ってください!お願いです!私、これからどうしたらいいのかわからなくて…!あの、やっぱりオーナーは、怒ってるんですかね?」 すると思いきりため息をつかれてしまった。 そしてどこか適当に「そうね、怒ってるのかもね」と一言。 再び椅子にドスッと座ると、腕を組み、足を組む。 キッと睨まれ、私は背筋が伸びてしまった。 「そこは、するべきだったと思うわよ」 「え?…するって、何を…」 「セックスに決まってるじゃない!!」 え…、……せ、セッ…!? 私の顔はすぐに反応し、爆発した。 「そ、そ、そんな…、はっきり、言葉になんて、…し、しないでください!」 「はぁぁ…。どんだけ処女なのよ」 再びため息ついては、首を振る。 「オーナーは大人ねぇ。よくそこで止めてくれたわ。フツーの男ならがっついてたんじゃない?」 が、がっついてたって…。 私は目を泳がせた後、シュンと顔を下げた。 「嫌だとか、そんなんじゃないんです。ただ、頭がいっぱいになってしまったというか、どうしたらいいのかわかんなくなっちゃって…」 「うまくオーナーがリードしてくれたと思うけど?…っていうかその前に、キス誘う時点でそういう流れになるって思わなかったの?」 「…思ってた、のかな…?」 「そういう曖昧な態度で誘ったら、オーナーに失礼よ」 その言葉に、私はさらにシュンとしていった。 どうしてあのとき、止めちゃったんだろう。 もう、このままずっと、触ってきてはくれないのかな。 涙をこらえ鼻をすすうと、まどかさんが続けた。 「次誘うときは、覚悟して誘うことね」 「…え?…誘うって、私から?」 「たぶんだけど、オーナーから誘ってくることはないんじゃない?」 驚きの発言に、私は目を見開いた。 「ど、どうしてですか!?」 「男がそんな何回も我慢できると思ってるの?」 「え、我慢って…?」 「こんな胸のでかい、食いごろの女を前に…。また止められでもしたら、たまったもんじゃないわよ」 …その女って、私のこと? 頬を赤らめながら、唇を噛み締めまどかさんを見つめていた。 でも…、そっか。 まだ、やれることがあるってことだよね。 立ち止まる必要ないんだ。
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