第4話

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「えっ!?」 「当たり前じゃない。顔も良くてパティシエだなんて人、なかなか近くにいないし。何人オーナーに迫った女性がいることか…」 「えぇ!?そんな…、そんなにオーナーってモテてるんですか!?」 するとそこでため息。 「だからぁ、言ったことなかった?オーナーは女性を雇わないって」 それを聞いてハッと思い出した。 そうだ!そんなこと、言ってたよね! 「あの、それって、どういうことなんですか?」 私が気になる様子を見て、まどかさんはニヤッと笑ってきた。 「ただの噂なんだけど、あまりに迫られ続けて女性が嫌になったって聞いたわよ」 「…え?」 「だからあなたを働かせ始めたあの日、常連の人たちみんなあなたのこと良く思ってなかったでしょ?」 た、たしかにそうだった。 睨まれてたんだよね、私。 「オーナーのこと、恭様って呼んでる集団もいるくらいなんだから」 き、恭様!? 私はそれを聞いて、開いた口が塞がらなかった。 …オーナーってそんなにモテるんだ。 もちろん自分もかっこいいって思ってるけど、そこまでモテると複雑? 迫られ続けたって、そんなに? っていうか、私も何気に迫ってたりしなかった? 「好きです!」とか「本当に好きなんです!」とか。 それって、迫ったことにならないのかな? 自分のしてきた行いを振り返り、額から流れる汗が止まらない。 すると、まどかさんが続けてきた。 「うまくいってるのは今のうちだけかもね~。例え両想いになったって、あれこれ問題は尽きないものなのよ」 そして手をヒラヒラさせてくる。 私はその話を聞いて、固まることしかできなかった。 ただでさえ問題ある私なのに、回りはオーナーを想う人でたくさん溢れてるだなんて知ってしまったら…。かなりまずいのでは!? 黙りこむ私を見て何か思ったのか、まどかさんは遠慮がちに顔を覗いてきた。 「まぁでも、うまくいってるんでしょ?なら良かったじゃない。それにあなた親戚なんだし。みんなその辺は理解したみたいだから、別に心配なんて…」 そう言いながら、次にまどかさんが固まっていく。 「え!?あれ?…あなたたしか、親戚なんだよね?オーナーとうまくいってるみたいって…え?親戚同士で?」 その問いかけに、私はさらにハッとしては血の気が引いていった。 「あっ、あの…、いや、親戚っていうか…」 ま、まずい。バレる!?
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