第4話

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そんな思いを過らせていると、オーナーの唇は離れ、次に頬から首もとへと滑り込んでいった。 「あっ…、んんぁっ…」 オーナーの肩に手を乗せ、グッと力を込めて握りしめる。 そして唇は、舌は、私の首筋を這っていった。それにビクッとしていると、気づけば服の中へ手が潜り込んでくる。 腰から背中にかけて、肌を伝いゆっくり滑ってきた。 その手に、私の体はさらに敏感に反応していって。 「あっ…、オーナー、…待って」 体がおかしい。 今まで味わったことのない緊張と感情の高ぶりに、息もままならなかった。 なんでだろう。 大好きなオーナーなのに。もっと触れてほしいって思ってるはずなのに。 触れられれば触れられる程、自分がどこかへ行ってしまいそうで。 私、これ以上は…。 「あっ…、あの、…待って」 止まってくれるかと思いきや、服の中の手はさらに伝って、胸元へとやって来ていた。 それに気づいた私はたまらず目をつぶり、ギュッとその手を服の上から捕まえた。 体を丸め、オーナーの手を抱き締める。 「ま、待って。…私、…ダメ」 そして顔を下げた。 胸がいっぱいで、熱くて、どうしたらいいのかわからない。 そのまま固まっていると、オーナーの唇は首もとから離れ、手はゆっくり下ろされていき、そのかわりに、私の頭の上へ乗っかってきた。 唇を噛み締め、顔を上げる。 すぐ目の前に、私を見つめるキレイな瞳があった。 どこか荒い息づかいを、整えているようで。 その様子に、私は目を見開いた。 感情が高ぶっていたのは、私だけじゃなかった…? 見つめたままでいると、オーナーがフゥと一息ついてくる。 何度か瞬きしては、再び私に目を合わせてきた。 頭を撫で、優しく呟く。 「…おやすみ」 そして私からゆっくり離れ、ドライヤーを手に持つと、そのまま静かにキッチンから出ていった。 私は、今まで呼吸を忘れてたのかと思えるくらい、一気に息を吐いては吸い込んだ。 「はぁ…っ、はぁ…っ…」 そして胸に手を当て、体を確かめる。 肌は異様に熱くて、その場に立っていられなくなり、さっき座っていた椅子に腰かけた。 次に、自分の顔を手で覆った。 あぁ…、どうしよう。 こんなに、こんなに緊張しちゃうなんて。 全然、落ち着いていたはずなのに…。 私は手を下ろし、次にダイニングテーブルを見つめた。 そして、目を熱くさせていく。
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