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「用意できましたぁ?」
ノックした後、ドアを開けて恭に声をかけた。
「あ?…早いな。もうできたのか?」
「はい!」
元気に返事して、部屋の中へ。
本日、6月3日、火曜日。
恭と待ちに待ったデートの日!
と言っても、昨日の仕事を終えた後から2人の時間は始まっていた。
外で食事をしてきて、もちろん寝るときは恭の部屋で過ごし、何度も体を重ね合った。
それでも明日はおでかけだからと言って、寝る時間をきちんと確保したんだけど。
朝方再び恭に襲われる羽目になり、現在の時刻、午前10時33分。
出来るだけたくさん楽しみたい私は、急いで支度に取りかかった。
下には紺の膝上シフォンスカート、上には透け素材の柔らかいパステルベージュの七分丈のブラウスをインにして。
おでかけ着に着替えただけで、すでにワクワク。
「せっかくだし、柚花の行きたいところに行かないか?」と、昨日食事しながら恭が提案してくれて。
だったら恋人っぽいデートをしたいと思った私は、「映画見に行ったり、ショッピングしたり、恭といろんなとこ歩きたい!」とすぐに叫んでいた。
そんな私にクスクス笑った恭は、「船橋にあるららぽーとにでも行ってみるか」と行き先を決めてくれたのだった。
もちろんどこのどんな場所なのかわからない私だったけど、笑顔で頷いていた。
準備ができたところで、2人で手をつないでデート開始!
そのららぽーとという場所に到着してみると、なんともまあ広い場所で。
建物も大きい上に、お店はいくつも並び、こういうところもあるのかと驚きを隠せなかった。
一人でいたら、絶対迷子になりそう。
そう察した私は恭の腕にピッタリくっつき、隣を歩いていた。
「どうする?映画、見てこようか?」
「え?ここに映画館なんてあるの!?」
目を大きくして尋ねると、クスッと笑ってきた。
「あるよ。たしか、三階だ。何か見れそうだったら見ていこうか」
「あ、はい!」
慣れない店内の雰囲気に圧倒されながら、私は恭にくっついていった。
「ちょうどこの映画なら見れるけど、入ってみる?」
そう言われ、よくわからないけどとりあえず頷いていた。
再び恭にくっついていくと、大きなスクリーンを正面に、座席がいくつも並んでいる場所へ。
恭が辺りを見渡し、真ん中あたりの座席に腰かけた。
そして足を組み、私をチラッと見上げてきた。
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