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自分の手でそれを確かめるために、首元に触れる。
優しくリングを握っては、恭へ顔を上げた。満面の笑みで。
次は、恭の番だね。
私は持っていたネックレスのフックを外して、恭の分をゆっくり首にかけていった。
首から鎖骨にかけて流れるチェーンが、恭の体の色気を益々引き立てていくようで、ドキッとしてしまう。
触りたくなった私は、チェーンの上を指でなぞっていった。
ふと顔を上げると、恭が私を黙って見つめている。
なぜか恥ずかしくなり目を泳がせてしまった。
すると、恭の右手はかけたばかりの私のネックレスをクイッと引っ張り、左手は頭の後ろへ回してきた。
流れるように、唇に吸い込まれていく。
軽く重なったと思ったら、恭は舌を出して私の唇をペロリと舐めてきた。
それに驚いて少し身を引き、笑ってしまった。
「アッハハ!…もう、舐めないで」
すると、恭までクスクス笑ってくる。
「舐められるのは嫌?」
「いえ、別に、嫌とかじゃないけど」
頬を赤らめ答えると、さらにニコッと笑って続けてきた。
「なら、おいで」
そう言って左手に力を入れ、再び唇を重ねていった。
軽く塞いでは、間をあける。
いくつか繰り返され、唇はすでに熱帯びていた。
「んっ…、…恭のキス、なんか…、エッチっぽい」
呟くと、それに返すようにクスクス笑う。
「俺が初めてなのに、そんなのわかるのか?」
「な、なんとなくだもん」
そう言うと再び塞がれては、また間をあける。
何度もされるキスに、すでに体は反応しているようで、息を荒くしては恭の首に手を回ししがみついていた。
そして自分からさらに唇を重ねていく。
次に間をあけると、恭は気がついたのか、呟いた。
「もしかして、…もうしたい?」
その言葉に、体が溶けだしそうになる。
返事ができずにいると、恭はさらに笑ってきた。
そして服の上から私の体に触れてくる。
「我慢できないなら、ここでしてあげようか?」
「あっ…、だ、ダメ」
「…どうして?」
その問いかけをなんとも意地悪な表情で呟く恭に、勝手に胸は高鳴っていた。
しかも、期待する自分までいるなんて。
なんて恥ずかしい私なんだ!
そんなこと思いながらも、また恭の唇の感触を堪能しようとしていた。
が、次の瞬間。
キッチンのドアがガチャッと開いた。
「ただい…ま……………あ!?」
その声に、私はすぐさま振り返った。
あぁ!!…し、晋くん!!
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