第5話

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目をおもいっきり大きくして口を開け、私たちを凝視している。 と思ったら、すぐにドアをバタンッと閉めていった。 あぁ!な、なんてことだ!? み、見られてしまった! 困惑しながら次に恭へ視線を戻すと、恭も片眉上げて私を見つめてきた。 「…ど、どうしましょう…?」 するとなぜか恭はクスッと笑った。 「これで心置きなくできる?」 「は、はい!?」 恭の手が、足をなぞってスカートの中へ。 「ちょ、ちょっと!その流れ、おかしいでしょ!」 恭から離れようと、腕を伸ばして胸元を押した。 すると突然、またもドアが勢いよくガチャッと開いていく。 「おい!!これは一体、どういうことだ!?」 晋くんがそう声を出して迫ってきた。 「ま、まさか、お前ら…、そういう関係になってるんじゃないだろうな!?」 「…そういう関係になってなかったら、抱き合ってないだろ…」 どこか呆れたように呟く恭に、晋くんはさらに熱くなる。 「おい、恭兄!これはフツーにだめだって!」 「…何が?」 「オーナーが手を出すって、どうなんだ!?」 「…人聞きの悪い。手を出したんじゃない。好きになったんだ」 その言葉に顔を赤らめたのは、私よりも晋くんが先だった。 「っんな!?なんつう恥ずかしいこと言ってんだよ!?」 …わぁ…。ど、どうしよう。 落ち着いて椅子に座りながら言葉を返す恭と、驚きを隠さず熱くなる晋くんの間に挟まれ、私は身動きできずにいた。 「あれ?…何?またなんか揉めてる?」 そう言って次にやってきたのは龍くん。 「おい、龍!お前知ってたか!?」 すぐに晋くんが声をかけていった。 「恭兄と、ゆ、柚が…、なんか…」 「ああ、今知ったの?…遅っ」 その返しに、晋くんは一瞬ピシッと固まった。 けれどそこから再びあれよあれよと騒ぎ立て…。 私はオロオロしながら様子を見届けていることしかできず。 なんか今日は、いろいろと『バレる』が重なる日かも…。 あまりに濃い1日に、私は額から汗を足らす一方で。 すると晋くんがさらに熱く口にする。 「ってか、柚はダメだろ!」 「…なぜ?」 恭は冷静に返していた。 「なぜだ!?…んなの聞かなくてもわかるだろ!柚は、ここにいるみんなのものだ!」 その言葉に、皆は目を大きくしてキョトンとしていた。
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