130人が本棚に入れています
本棚に追加
目をおもいっきり大きくして口を開け、私たちを凝視している。
と思ったら、すぐにドアをバタンッと閉めていった。
あぁ!な、なんてことだ!?
み、見られてしまった!
困惑しながら次に恭へ視線を戻すと、恭も片眉上げて私を見つめてきた。
「…ど、どうしましょう…?」
するとなぜか恭はクスッと笑った。
「これで心置きなくできる?」
「は、はい!?」
恭の手が、足をなぞってスカートの中へ。
「ちょ、ちょっと!その流れ、おかしいでしょ!」
恭から離れようと、腕を伸ばして胸元を押した。
すると突然、またもドアが勢いよくガチャッと開いていく。
「おい!!これは一体、どういうことだ!?」
晋くんがそう声を出して迫ってきた。
「ま、まさか、お前ら…、そういう関係になってるんじゃないだろうな!?」
「…そういう関係になってなかったら、抱き合ってないだろ…」
どこか呆れたように呟く恭に、晋くんはさらに熱くなる。
「おい、恭兄!これはフツーにだめだって!」
「…何が?」
「オーナーが手を出すって、どうなんだ!?」
「…人聞きの悪い。手を出したんじゃない。好きになったんだ」
その言葉に顔を赤らめたのは、私よりも晋くんが先だった。
「っんな!?なんつう恥ずかしいこと言ってんだよ!?」
…わぁ…。ど、どうしよう。
落ち着いて椅子に座りながら言葉を返す恭と、驚きを隠さず熱くなる晋くんの間に挟まれ、私は身動きできずにいた。
「あれ?…何?またなんか揉めてる?」
そう言って次にやってきたのは龍くん。
「おい、龍!お前知ってたか!?」
すぐに晋くんが声をかけていった。
「恭兄と、ゆ、柚が…、なんか…」
「ああ、今知ったの?…遅っ」
その返しに、晋くんは一瞬ピシッと固まった。
けれどそこから再びあれよあれよと騒ぎ立て…。
私はオロオロしながら様子を見届けていることしかできず。
なんか今日は、いろいろと『バレる』が重なる日かも…。
あまりに濃い1日に、私は額から汗を足らす一方で。
すると晋くんがさらに熱く口にする。
「ってか、柚はダメだろ!」
「…なぜ?」
恭は冷静に返していた。
「なぜだ!?…んなの聞かなくてもわかるだろ!柚は、ここにいるみんなのものだ!」
その言葉に、皆は目を大きくしてキョトンとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!